2015年に初版が発行された「ITエンジニアのための機械学習理論入門」の改訂版が発売されることになりました。2021年7月17日より一般販売がはじまる予定です。カバーする範囲は、初版とほぼ同じですが、言葉足らずで解りにくかった部分を書き換えたほか、より理解を深めるための情報を「コラム」という形で追加させていただきました。
そして何よりも(!)サンプルコードをPython 3で全面的に書き直して、Google Colaboratoryのノートブックとして提供するようにしました。これで、実行環境をローカルに用意することなく、気軽にコードを試していただくことができます。
参考までに、本書の前付けより、「改訂にあたり」を掲載させていただきます。
改訂にあたり
本書の初版を出版したのは、2015年の秋ごろですので、それから6年近くが経過したことになります。おかげさまで、想像以上に多くの方々に読んでいただき、「中井さんの書籍がきっかけで機械学習研修のインストラクターになりました」と声をかけていただくという、嬉しい出来事などもありました。
目まぐるしく技術が変化する IT 業界ですので、6年もたてば書籍の内容もそれなりに古く感じられるかと思いきや、「はじめに(初版より)」を読み返して見ると、IT エンジニアと機械学習を取り巻く状況は、今も変わりないようです。機械学習のアルゴリズムという、普遍的な根本原理を解説するねらいは間違いではなかったようです。
今回の改訂にあたっては、サンプルコードの実行環境をクラウドサービスであるGoogle Colaboratoryに変更して、より手軽に試していただけるようにしたほか、本文の理解を深めるための情報をいくつかの「コラム」で補足しました。取り扱うアルゴリズムの範囲は初版と変わりありませんが、新たにカラー版として生まれ変わった本書を通して、より多くの読者の方々に機械学習「理論」の面白さを感じていただければと思います。