めもめも

このブログに記載の内容は個人の見解であり、必ずしも所属組織の立場、戦略、意見を代表するものではありません。

2020-01-01から1年間の記事一覧

「確率分布をファーストクラスオブジェクトとして扱う」という観点で Tensorflow Probability を理解する

何の話かと言うと Tensorflow Probability の公式ページを見ると、 「TensorFlow Probability は確率的推論と統計的分析のためのライブラリです。」 という言葉が目に飛び込んできますが、機械学習モデルを扱うライブラリーとしての Tensorflow とどういう関…

「ITエンジニアのための強化学習理論入門」(初版1刷)正誤表

誤植の訂正 p.123(第2段落の第2文) 誤:そして次は、α=1.0の場合です。 正:そして次は、α=0.0の場合です。 p.193 (下から6行目の末尾) 誤:極端に小さな値() 正:極端に小さな値() コードの訂正 GitHub 上のコードも修正してあります。 p.253([MGT…

Building microservices with go-micro on GCP(パート3)

パート2はこちらです。enakai00.hatenablog.comパート2では、Hello World! 的なサンプルを GKE にデプロイしましたが、ここでは、もう少し本番に近い実装を試してみます。 ショッピングカートからの発注処理 次のような一連の処理を saga パターンで実装しま…

Building microservices with go-micro on GCP(パート2)

「パート1」はこちらです。enakai00.hatenablog.com GKE, Cloud Pub/Sub 対応サービスの作成 パート1で作成したサンプルサービスを GKE と Cloud Pub/Sub に対応するように修正します。修正後の main.go は次のようになります。 package main import ( "fmt"…

Building microservices with go-micro on GCP(パート1)

go-micro について github.comgo-micro は、microservice 用のサーバーを構築するための Go 言語のフレームワークです。gRPC による(同期型)API サーバー、および、Cloud Pub/Sub などのメッセージブローカーから受信したイベントを処理する(非同期型)AP…

Choreography-based saga をローカルで実験するためのフレームワーク

github.com Choreography-based saga とは? マイクロサービスの環境で、複数のサービスが連携するトランザクションを実行する手法にSaga パターンがあります。一般にトランザクションに求められる特性として ACID がありますが、RDB を用いたトランザクショ…

「ITエンジニアのための強化学習理論入門」が発売されます

www.amazon.co.jp表題の書籍が技術評論社より発売されることになりました。執筆にご協力いただいた方々には、あらためてお礼を申し上げます。販売開始に先立って、「はじめに」「目次」「図表サンプル」を掲載させていただきますので、先行予約される方の参…

Google App Engine (Standard Environment, 2nd Generation) で Golang の Web Application を作る方法

これは何? Google App Engine (Standard Environment) は 2nd Generation にアップグレードして、GAE 専用の実行モジュール(各言語で用意された GAE 対応の専用ライブラリ等)が不要になり、一般的なライブラリやフレームワークが比較的自由に使えるように…

Quantum Phase Estimation による Order finding アルゴリズム

複数固有値に対する推定 enakai00.hatenablog.com上記の記事で解説した位相推定の量子回路(下図)では、状態 はユニタリ演算子 の特定の固有値に属する固有状態でした。それでは、複数の固有値に対する固有状態の重ね合わせの場合、どうなるでしょうか?結…

量子フーリエ変換を「位相差に情報を埋め込む」という視点で理解してみる

enakai00.hatenablog.com 何の話かと言うと 上記の記事で説明した量子フーリエ変換は、本質的には、 --- (1)という線形変換(ユニタリ変換)を量子回路で実装しただけのことですが、「なぜ (1) の表式が量子回路と相性がよいのか?」という部分を踏み込んで…

Phase Estimator の量子回路を解説してみる(その2)

前回 は量子フーリエ変換を実装した量子回路を紹介しました。今回は、これを用いて、ユニタリ演算の固有値(の位相)を推定する方法を説明します。 逆フーリエ変換 有名な事実ですが、前回説明したフーリエ変換 --- (1)には、逆変換があります。次になります…

Phase Estimator の量子回路を解説してみる(その1)

まずは、Phase Estimator の基礎となる、量子フーリエ変換の実装を解説します。 (離散)フーリエ変換とは? 形式的に言うと、 成分の複素ベクトル を 成分の複素ベクトル に変換する、次の計算式です。 --- (1)このような変換を考えて何が嬉しいのかと言う…

「量子機械学習(Quantum Machine Learning)」とは?

基本的な考え方 量子回路のすべての構成を人間が設計するのではなく、チューニング可能なパラメーターを含む形で量子回路を構成しておき、これが期待する動作を実現するようにパラメーターをチューニングする。古典データを量子状態に変換して入力する場合と…

ITエンジニアのための機械学習理論入門:Colaboratory版サンプルスクリプト

ITエンジニアのための機械学習理論入門作者:中井 悦司出版社/メーカー: 技術評論社発売日: 2015/10/17メディア: 単行本(ソフトカバー)上記の書籍では、Python の実行環境として Canopy を用いたセットアップ手順を紹介していますが、Canopy が公開中止とな…