基本的な考え方
量子回路のすべての構成を人間が設計するのではなく、チューニング可能なパラメーターを含む形で量子回路を構成しておき、これが期待する動作を実現するようにパラメーターをチューニングする。
古典データを量子状態に変換して入力する場合と、もともと量子状態であるものを入力データにする場合がある。
QVE
あるハミルトニアン の基底エネルギーを近似的に求める手法。パラメーター()を持つ量子回路をユニタリ変換 とみなして、この回路が出力する量子状態 について、ハミルトニアンの期待値を計算する(期待値計算は古典計算機を組み合わせて行う。)この期待値が減少するように、パラメーター()をチューニングする。
この問題の場合、学習対象データが量子状態なので、量子回路を利用するのは自然なアプローチと言える。
量子ニューラルネットワーク
↑比較的シンプルな関数のリグレッションを量子回路で実装した実験結果。
↑ニューラルネットワークによる分類器を量子回路に置き換えて実装した例。
↑CNNの量子回路版の提案例
量子データを古典データに変換する手法
量子データが前提であれば、量子回路でコヒーレンスを高めて特徴量を抽出しやすくした後に、それを古典ニューラルネットワークで処理すると言うハイブリッドアプローチも考えられる。
↑これらは、量子回路は入力状態をランダムにかき混ぜるだけの固定的な構成、そこから得られた古典データ(観測値)を古典的な線形モデルに入力する。
パラメーターチューニングの方法
古典ニューラルネットワークであれば、数学的に勾配計算を行って、勾配効果法が適用できるが、量子回路の勾配計算はできないので、他のアプローチが必要となる。
↑よくあるタイプのゲートについては、その微分を量子回路で計算できることを示した結果
↑単純な差分計算で微分を近似するよりも、解析的な微分値を量子回路で計算した方が有意な場合があることを示した論文