プログラマのためのGoogle Cloud Platfrom入門 サービスの全体像からクラウドネイティブアプリケーション構築まで
- 作者: 阿佐志保,中井悦司
- 出版社/メーカー: 翔泳社
- 発売日: 2017/06/02
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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翔泳社より、表題の書籍が出版されることになりました。共著者の阿佐さんを始めとして、執筆にご協力いただいた方々に改めてお礼を申し上げます。
2016年の中頃、Google Cloud Platform(GCP)に関わる仕事をはじめた当初より感じていた、「とにかく、わかりやすくて実践的な入門書を提供したい!」という想いをようやく形にすることができました。本書では、Google Compute Engine、Google Container Engine、Google App Engineを中心としたGCPの主要サービスを用いて、最適なアプリケーションアーキテクチャーを実現する方法を具体的なサンプルアプリケーションを使って説明しています。特に、GCPを利用する上で理解しておきたいインフラの基礎技術についても解説が加えられていますので、GCPを通してインフラ技術の基礎を習得したいという方にも最適な入門書となっています。
ちなみに、GCPには、アプリケーションを効率的に開発・提供するためのアプリケーションプラットフォームという側面に加えて、大量データを効率的に処理するためのデータ処理プラットフォームという側面があります。本書は、まずは、アプリケーションプラットフォームとしての特徴を理解して、使いこなしていただくことが大きな目標となっています。データ処理機能について、あまり触れることができなかった点が心残りですが、またいつの日か、データ処理プラットフォームとしてのGCPを解説した書籍が提供できるよう、GCPユーザーの皆さんの声援がいただけると幸いです。
最後に、共著者の阿佐さんに執筆していただいた「はじめに」の一部を参考として掲載させていただきます。
はじめに
「レゴブロックのようにパーツを組み合わせるだけで簡単にシステムが構築できる」――パブリッククラウドについて、そんな宣伝文句を耳にしたことはありませんか? しかしながら、現実のシステム開発はそれほど甘くはありません。クラウド上で提供されるそれぞれのサービスやコンポーネントの特性をよく理解して、ビジネス要件に応じた、最適なシステム設計を実現する必要があります。そのような観点で見た場合、Google Cloud Platformにはどのような特徴があるのでしょうか?
現在、Google社は、サーチエンジンをはじめとする世界規模のWebサービスを広く展開しています。同社が提供するこれらのサービスは、世界最先端のハードウェア/ソフトウェア技術を用いて実現した社内インフラ、現在で言うところのプライベートクラウドの上に構築されており、そこには、プログラマの創造性と生産性を支えるためのさまざまな仕組みが用意されています。Google Cloud Platformは、このようなGoogle独自の社内インフラをパブリッククラウドという形で、一般のユーザーにも開放したサービスと言えます。そこでは、伝統的な仮想マシン環境はもちろんのこと、マイクロサービス型のアプリケーションに適したコンテナインフラ、あるいは、開発/運用の効率化を徹底的に追求した独自のPaaS環境などが、使いやすく整備された形で提供されています。機械学習を活用したアプリケーション開発という点でも大きな強みがあります。
つまり、既存技術の枠組みを脱して、新たな技術や方法論を取り入れた次世代システムへの変革に挑戦したいと願うユーザーにとって、Google Cloud Platformは、最適なクラウドサービスと言えるでしょう。そこには、「最先端の技術を活用して、時代に即した変化に強いシステムを開発したい!」と願うプログラマにとって、大きなチャンスが広がっているのです。そのような思いをもったプログラマの方々が、はじめの一歩を踏み出す手助けとなることを目指して、本書の執筆に取り組みました。世界規模でのスケーラビリティーや開発生産性の向上、先進技術を活用した新しいビジネスへの取り組みなど、コスト削減にとどまらない、Google Cloud Platformのメリットを実感するきっかけが提供できたとすれば幸いです。
〜中略〜
執筆者を代表して
阿佐 志保