二重数列 について、各行の和 が存在して、さらに、これらの和 が存在するとします。この時、列を先に計算しても同じ値に収束する、あるいは、一列に並べ替えて和をとっても同じ値に収束することが言えます。
定理1
各列の和 が存在して、これらの和は となる。
(証明)
任意の に対して、 なので、優級数定理により、 は確かに存在する。
任意の に対して、任意の自然数 を固定した時、 のそれぞれについて、 であることから、
を満たす が取れる。 とすると、
最後の表式は に依存しないので、任意の自然数 に対して、 が成り立つ。従って、 の極限で、 となり、これが任意の に対して成り立つことから、
--- (1)
が得られる。
一方、任意の に対して、任意の自然数 を固定した時、任意の自然数 について、
なので、 の極限で、
が得られる。 より、十分大きな を取ると、
となり、これが任意の に対して成り立つことから、
--- (2)
が得られる。(1)(2) より、 が言える。
(証明終わり)
定理2
として、 が成り立つ。
(証明)
とすると、
が成り立つ。 より、十分大きな を取ると、
--- (1)
となる。
一方、 より、十分大きな に対して、
従って、(1) と併せて、
となり、 の極限で、 が得られる。これが任意の に対して成り立つことから、
--- (2)
が得られる。一方、 より、任意の に対して、十分大きな で、
となり、 の極限で、 が得られる。これが任意の に対して成り立つことから、
--- (3)
が得られる。(2)(3) より、 が言える。
(証明終わり)
逆に、 が存在する時に、 となる事も証明できます。(下記の「定理2」を参照)