普通のモンティ・ホール問題
[問題]
「プレイヤーの前に3つのドアがあって、1つのドアの後ろには景品の新車が、2つのドアの後ろにはヤギ(はずれを意味する)がいる。プレイヤーは新車のドアを当てると新車がもらえる。プレイヤーがドア1を選択した所、モンティはドア3を開けてヤギを見せた。
ここでプレイヤーは、ドア2に選択を変更しても良いと言われる。プレイヤーはドアを変更すべきだろうか?」
前提を厳密に規定するために、モンティの行動に規定を設ける。
・プレイヤーがヤギを選んだ場合、モンティは残りのヤギのドアを開ける。
・プレイヤーが新車を選んだ場合、モンティはどちらかのヤギのドアを1/2の確率で選んで開ける。
[解答]
・アンサンブル
ここに、は「ドアnに新車が入っている(他のドアには新車が入ってない)状態」
・アンサンブルの事前分布
・観測事象(Evidence)
E = 「ドア1を指定したら、モンティはドア3を開けて、そこに新車はなかった」
以上の前提でいくつか計算する。
・サンプルが決まった前提で観測事象が発生する確率:
→ モンティはドア2もしくはドア3のどちらかを1/2の確率で開けるので、ドア3が開く確率は1/2。
→ モンティは必ずドア3を開けるので、ドア3が開く確率は1。
→ モンティは必ずドア2を開けるので、ドア3が開く確率は0。
・観測事象が発生する総確率
・観測事象の下でのアンサンブルの事後分布
というわけで、最初の選択が正解する確率は1/3に対して、選択を変えた場合の正解確率は2/3。
モンティ・ホール問題の変形版
[問題]
「プレイヤーの前に3つのドアがあって、1つのドアの後ろには景品の新車が、2つのドアの後ろにはヤギ(はずれを意味する)がいる。プレイヤーは新車のドアを当てると新車がもらえる。プレイヤーがドア1を選択した所、
地震が発生して、ドア3が勝手に開いて、ヤギが見えてしまった!
ここでプレイヤーは、ドア2に選択を変更しても良いと言われる。プレイヤーはドアを変更すべきだろうか?」
前提を厳密に規定するために、地震の影響に前提を設ける。
・地震によって、ドア2かドア3のどちらか1つが必ず開く。どちらが開くかは、それぞれ確率1/2。
→普通の問題と対比するために、あえて、ドア1が開く可能性は除外しています。
[解答]
・アンサンブル
ここに、は「ドアnに新車が入っている(他のドアには新車が入ってない)状態」
・アンサンブルの事前分布
・観測事象(Evidence)
E = 「ドア1を指定したら、地震でドア3が開いて、そこに新車はなかった」
以上の前提でいくつか計算する。
・サンプルが決まった前提で観測事象が発生する確率:
→ ドア3が開く確率は1/2。
→ ドア3が開く確率は1/2。
→ ドア3が開く確率は1/2。ただし実際に開いたら新車が見えるので観測事象には一致しない。つまり観測事象が起きる確率は0。
・観測事象が発生する総確率
※地震の場合は、正解のドアが開いてゲームが台無しになる可能性が加わるので、観測事象(無事にゲームが継続する)が起きる確率は、モンティがドアを開く場合よりも小さくなる。
・観測事象の下でのアンサンブルの事後分布
とうわけで、最初の選択でも、選択を変えた場合でも、正解確率は同じ1/2。