めもめも

このブログに記載の内容は個人の見解であり、必ずしも所属組織の立場、戦略、意見を代表するものではありません。

『独習Linux専科』サーバ構築/運用/管理 ―― あなたに伝えたい技と知恵と鉄則


2013/08/21追記
技術評論社のサイトに書籍紹介ページができました。目次とサンプルページがありますので、こちらも参照ください。

『独習Linux専科』サーバ構築/運用/管理 ―― あなたに伝えたい技と知恵と鉄則」の出版が決まりました。今回は、構想段階において、さまざまな方から助言&後押しをいただきました。改めて感謝いたします。

Linux初心者を対象として、Linuxの基礎を体系的に学んだ上で、「プロのためのLinuxシリーズ」へとステップアップすることを目指した内容です。Unix入門の古典的名著「The UNIX Super Text」を現代に蘇らせる事、そんな思いを胸に執筆に取り組みました。

「はじめに」より(抜粋)

 本書は,Linux初心者を対象とした入門書です。一般的なPCと家庭内ネットワークを利用して,自宅で独習できるように構成されています。そして,何よりも,「俺/私もLinuxの魅力を理解したい!」,そんな心の叫びに応えるべく,Linuxと深く付き合うために必要な「技・知恵・鉄則」を筆者自身の経験に基づいて書き下ろしました。ITが本業の方々にも十分に役立てていただける内容だと信じています。
 ITのプロを目指して端末室のWindowsマシンで勉強中のあなた,Linuxエンジニアのキーボードさばきを横目に,マウス片手にサーバ管理を続けるWindows担当エンジニアのあなた,ネットワーク仮想化を熱く語るサーバエンジニアに圧倒されそうなネットワークエンジニアのあなた……,さあ,本書を活用して,新たなLinux人生の第一歩を踏み出してください。

「本書の読み方」より(抜粋)

 本章は,PCにLinuxをインストールした学習環境を用意した上で,具体的な操作を通してLinuxの操作・管理方法を学んでいく構成になっています。第1章から順に読み進めることで,体系的に学習できるように構成されています。
 まずは,第1章の説明に従って,学習用のPCを用意した上でLinuxのインストールを行ってください。その後は,インストールしたLinuxに向かって,実際にコマンドを入力しながら読み進めます。説明だけではわかりにくい部分は,自分で結果を予想しながら,さまざまなコマンドを試すことで理解を深めることができます。
 本書では,無償で利用できるLinuxディストリビューション「Fedora17」を使用して学習を進めます。一部のコマンドについては,他のLinuxディストリビューションと使用方法が異なる部分もありますが,本書では,Linux全般に通用する本質的な「考え方」を伝えることに主眼をおいています。本書の内容は,さまざまなLinuxディストリビューションを使いこなす上での大切な基礎となります。

各章の概要は次の通りです。

第1章 はじめてのLinuxサーバ
 UnixとLinuxの歴史を振り返りながら,Linuxの特徴やLinuxサーバの役割りを理解します。また,学習用のPCを用意してLinuxをインストールした上で,リモートログインの方法やディレクトリとファイルの操作など,Linuxの基本的な操作方法を学びます。さらには,手順に従ってWebサーバの構築を体験しながら,サーバ構築の基本的な流れを理解します。Linux管理者の必須ツールである,「viエディタ」の使い方も身に付けます。

第2章 Linuxの基本操作を学ぶ
 Linuxの動作を理解する基礎となる「プロセス」について,その仕組みやコマンドによる確認方法を学びます。また,Linuxの最大の特徴とも言える,標準入出力とパイプライン処理を理解した上で,これらを活用した実践的な「テキスト処理」について,実例を通して学習します。正規表現の活用,簡単なシェルスクリプトの作成など,一歩進んだ利用方法も身に付けます。そのほか,ディスクとファイルシステムの基礎を理解した上で,ディスク使用量の確認方法や外部メディアの扱い方を学びます。

第3章 システム管理の基礎知識
 Linux管理者として必要となる,システム管理の方法を学びます。ユーザ/グループの作成とファイルのアクセス権の設定など,一般ユーザがLinuxを使用する環境を整えるための基礎知識に加え,パッケージの導入と各種サービスの設定方法など,サーバ構築・管理の基礎となる管理コマンドの使い方を身に付けます。そのほか,ファイルのバックアップを題材として,さまざまなファイルコピーの手法,ファイルのアーカイブと圧縮処理,cronジョブによる定期実行などを学びます。

第4章 サーバ構築・管理に挑戦
 これまでに学んだ知識を活かして,ファイルサーバ(Samba),データベースサーバ(PostgreSQL),Webアプリケーションサーバ(Ruby on Rails)など,代表的なサーバ環境の構築を実践します。ファイルサーバでは,ファイルのアクセス権の役割りを再確認します。データベースサーバでは,ログ出力の設定方法を通して,Linuxのログ管理について学びます。最後のWebアプリケーションサーバでは,sudoコマンドを利用して,一般ユーザにシステム管理作業の一部を任せる方法を学習します。

第5章 Linuxの動作原理を学ぶ
 シグナルによるプロセスの操作や複数CPU環境におけるプロセスの動作,ディスクキャッシュとスワップ領域など,Linuxの動作原理ついて,一歩踏み込んだ解説を行います。さらに,Linuxのセキュリティ機能であるファイアウォールとSELinuxについて解説します。入門書としては少し高度な話題ですが,問題判別やシステムチューニングの基礎であり,さらなる学習に向けた「足がかり」となる内容です。