めもめも

このブログに記載の内容は個人の見解であり、必ずしも所属組織の立場、戦略、意見を代表するものではありません。

腕に覚えのあるエンドユーザデバイス・プログラマ/インフラ・エンジニアの方へ

「ガ島通信」の藤代さんから「助けあいジャパン ボランティア情報ステーション(VIS)」の活動についてお話を伺う機会があり、「VIS が RSS/XML で公開している『一般ボランティア募集情報』を展開するためのアプリケーション/Web サイト/Blogパーツなどなどを自主的に作成してもらえる方々を募集している」とのことでしたので、少し情報をまとめておきます。

・「助けあいジャパン ボランティア情報ステーション(VIS)」の活動の背景については、このあたりを参照ください。
・ RSS/XML の利用方法については、こちらに説明があります。

『一般ボランティア募集情報』の内容については、VIS に協力するボランティアメンバが労力をかけて収集・入力した信頼できる貴重な情報なのですが、それを必要とする方々にタイムリーに提供する仕組みを作るところにはまだまだ手がまわらないということです。「腕に覚えのあるプログラマ/エンジニア」の方は、この情報を展開するためのステキなアプリケーション/Web サイト/Blogパーツなどなどをぜひ作成・公開してください。

ちなみに、作成時のポイントはこのあたりだと思います。

・オリジナルの RSS/XML 配布サイトにアクセスが集中しない様に、必要なデータはアプリ/Web サイト側に持ってきて負荷分散できるように工夫してください。
・RSS/XML のデータはタグ付けがざっくりしているので、可能であれば、自然言語分析やら非構造データ分析やらの得意技を駆使してデータの二次加工にもチャレンジしてください。

最後に、以下は私の個人的な雑感です。

このようなデータ作成/情報展開の仕組みは、普通に仕事としてやるのであれば、いわゆる要件定義から入って、RSS/XML のタグ付けなど最初からもっと工夫して効率的/効果的に作っていけると思います。しかしながら、今回の震災はまだだれも経験したことの無い状況であり、急いでやらなければならないことがあまりにも多いこと、そして本当に必要な要件などそもそも誰にも把握しきれる状況ではないことから、「究極のアジャイル開発」が求められています。IT インフラなどの物的リソースについては、多数の IT 企業から、好意による無償提供が行われています。その一方で、この状況における「究極のアジャイル開発」に対応できる人的リソースはまだ十分では無さそうです。

※「支援の種類とタイミング」についてコメントをいただいたので、補足しておきます。

一般ボランティアの活動情報を今のタイミングで広く流通させることが本当に被災地の方々にとって有益なのか?むしろ弊害になる可能性は?という疑問を持たれる方もいるかも知れません。VIS としての考え方については、このあたり を参照していただきたいと思います。私自身は、

・ VIS のメンバは支援の種類とタイミングの問題は認識されていて、その一方で、一般人が参加できるボランティア情報を求める声の大きさとのギャップに問題意識を持っている。
・ その上で、あえて今のタイミングから「本当に一般人に参加してほしいボランティア活動」の情報をきちんと流通させることを意図した VIS の活動は有益である。

と判断して、この文書を掲載しています。(私自身は VIS の活動に対する直接の利害関係はありません。)